ダイナミック系


特注品などを製作する場合に注意していることがあります。
いわゆるダイナミック系エフェクトと言われるものの呼称です。

楽器エフェクトで言うところのリミッターというのは規定以上の音が入力された場合に増幅率を下げるエフェクトです。 カットしてしまうわけではありません。
またレシオという設定値を上げれば効果を自然に和らげることが出来ますが、規定以上の音が出てしまうことになります。
用途としては音のツブを揃えるなんていいます。
同じく楽器エフェクトで言うところのコンプレッサーは上記のリミッター機能に加えて、規定以上の音が入力された場合に増幅率を上げる効果が得られます。
アタック音をよりはっきりさせたい場合に使えます。さらにサスティナーという機能を追加した商品をコンプレッサーと称することが多いようです。
サスティナーというのは上記リミッター機能とは逆に、入力音声が規定以下のレベル場合に増幅率を上げる効果です。音符を長くする効果ですね。
エキスパンダーともいいます。厄介なことに規定以上の音が入力された場合に増幅率を上げる効果を指してエキスパンダーという場合と、 音符を長くする効果を指してエキスパンダーという場合があるようです。まあ縦に伸ばすか横に伸ばすかというところでしょうか。
また以前は過大入力をクリップして音符を長くする、いわゆる歪みエフェクタをサスティナーと呼ぶこともあったようで。

楽器エフェクトとは別にオーディオやプロオーディオの世界ではこれらの呼称が違います。
楽器用途では必要なサスティナーやエキスパンダーは使用されないので問題ないのですが、 コンプレッサーと言えば上記のリミッター、リミッターと言えばクリッパーを指します。
クリッパーと言うのは楽器の世界で言うと歪みエフェクタに近いのですが、用途が違います。
パワーアンプなどへの過大入力を抑えるために、規定以上のレベルの音声を強制的にカットします。 過大入力歓迎のギターの世界ではこれを効果的に使いますが、オーディオの世界ではアンプやスピーカー保護のために装備されます。
コンプレッサー(上記のリミッター)の用途は、保護の他に、実際の音量を抑えつつ聴感上の音圧を上げるといった面もあります。
さらにリミッターコンプレッサーというエフェクト概念もあります。
規定レベルを2つ設定して、1つめのレベルを超えるようなら増幅率を下げ、2つめのレベルを超えるようなクリップする、というように二段構えの エフェクトです。

呼称がまったく別というのならともかく、食い違っているというのは予想以上に話がややこしくなるものだと痛感します。

(以上全て私の経験による認識で、正解というわけではありません。)