ハイレゾについて


ハイレゾ規格が登場して随分経ちますが、いまひとつ普及しませんね。
ふた昔ほど前はハイレゾ移行のためオーディオ業界にはハイレゾ特需が必ず来る!という期待感もあったものですが。

ハイレゾとはなんぞやというと、44.1kHz/16bitサンプリングのCD規格より高品位な標本化のことです。
なので48kHz/16bitサンプリングであるDATも一応ハイレゾに含まれます。

現在においてもハイレゾは必要かという話題がたびたび持ち上がりますが、 そのときに必ず挙がるのは、「人間の耳にはそんな高域は聞こえない」「犬のための規格」などという意見です。
これには多分に誤解が含まれていると思います。

・デジタル標本化ではサンプリング周波数の半分の周波数まで記録できる
・人間の耳はせいぜい20kHzまでしか聴こえない
この2つの条件からCD規格以上にしても差異が発生しないと考えているのでしょうか。

44.1kHzサンプリングにおける20kHz正弦波。
たしかに記録はできていますが、正弦波とは言いがたいです。
大きくうねったようになっていますが、こういう波形でも再生するとサイン波っぽく聴こえるから不思議です。

192kHzサンプリングにおける20kHz正弦波。
ちゃんと正弦波と言える状態です。

20kHzだとまだ高すぎかもしれませんね。現実的なところでは10kHzあたりまでが判別可能な高音域でしょうか。

44.1kHzサンプリングにおける10kHz正弦波。
20kHzよりは正弦波っぽくはなりますが、綺麗ではないです。

192kHzサンプリングにおける10kHz正弦波。
丸みが再現できていますね。

サンプリング周波数を上げることによって、より高い音域を記録できるというのは間違いではありません。
ただそれよりもむしろ中高域をより綺麗に再現できるということのほうが人間の耳とっては重要なのではないかと考えています。

参考のため音源を作成しました。ハイレゾ環境で再生しないと差は出ませんのでご注意ください。
44kHz/16bitサンプリング 10kHz wav
192kHz/24bitサンプリング 10kHz wav